昨年のライブ配信に続き、2017年に入ってから24時間でコンテンツが消えるFacebookストーリーズを導入するなど、新機能の強化に積極的なFacebook。
新機能の導入は、Facebookをマーケティングに利用している企業のコンテンツにも影響を与えます。
例えばライブ配信が導入されてから、Facebookライブを使ってイベント会場で実況中継をするライブ動画をよく目にするようになりました。
さらに最近導入されたFacebookのストーリー機能は、スナップチャットやInstagramで支持を得ている人気機能。多くのユーザーが取り入れることが予測できます。
このように新機能や流行しているトピックによって、Facebookのマーケティングで取り扱われるコンテンツは変わってきます。
そのときのトレンドを知ることでユーザーの興味を引き、マーケティングの効果を最大限引き出すことができるのです。
ソーシャルメディアマーケティングを運用するときに気を付けたいのは、マーケティングを行うプラットフォームによってトレンドは微妙に変わるということ。
導入されている機能やユーザー層によって注目したいポイントは異なります。
今回は海外メディアbrandwatchに掲載された記事を参考に、2017年にFacebookで流行するとされているトレンドを紹介します。
出典 : brandwatch:https://www.brandwatch.com/blog/facebook-trends-2017/
目次
トレンド1.ライブ配信に広告を導入へ
出典 : Facebook Live:https://live.fb.com/golive/#section1
2016年に導入されて多くの企業が取り入れているライブ配信機能「Facebook ライブ」。
さらに動画コンテンツに注目が集まっている2017年は、ライブ配信機能を活かした取り組みがされるとのことです。
2016年、Facebookはライブ動画で表示するリアルタイム広告をテスト中であることが分かりました。
小規模な範囲でテストを行っていたリアルタイム広告ですが、2017年2月にミッドロール広告がライブ配信に表示されるのを確認されます。
表示された動画広告から収益を得ることができるので、Facebookでビジネスが拡大できるチャンスです。
ただしミッドロール広告を表示できるアカウントには条件があります。条件は次のとおりです。
- 最低でもフォロワー数2000人のアカウント
- 過去1カ月以内に配信したライブ動画の視聴数が300人以上
- Facebookページと個人アカウント両方で使用可能
またライブ動画内の広告は配信開始から4分経たないと流すことができないので、必然的に配信時間は4分以上であることが求められます。
出典 : Marketing Land:http://marketingland.com/facebook-opens-mid-roll-ads-live-broadcasters-starts-non-live-test-207499
現在ミッドロール広告が適用されているのはアメリカのみ。徐々に適用地域を拡大すると予想されています。
ライブ配信に広告が導入されて収益が得られるとなれば、インフルエンサーがFacebookでライブ配信を行うメリットが増えます。
Facebook上でのインフルエンサーマーケティングが運用しやすくなると考えられるので今後の動きに期待です。
トレンド2.CTAボタンの強化でローカルビジネスに恩恵
2016年10月にCTAボタンが強化されたことで消費者に促せる選択肢が広がりました。
この機能は2017年に適用エリアが拡大して、都心だけでなく地域に密着したローカルビジネスにも役立つと予測されています。
出典 : Facebook Business:https://www.facebook.com/business/news/page-call-to-action-updates
スマートホンの普及で消費者はお店の予約や製品購入を携帯電話で済ませる傾向が強くなりました。
この傾向を察知して、FacebookはFacebookページに設置できるCTAボタンの強化を図ります。Facebookが新たに導入した機能は、CTAボタンを使ってダイレクトに予約や注文、購入ができるというもの。
レストランのFacebookページであればメニューを見て注文、ヘアサロンであれば空いている時間帯で好みのサービスを予約という一連の作業をFacebook上で完結できます。
出典 : Facebook Business:https://www.facebook.com/business/news/page-call-to-action-updates
CTAボタンの強化は地方でFacebookページを開設している企業にとても大きな恩恵があります。
多くの消費者が利用しているプラットフォームでホットペッパーのような予約システムが利用可能。
Facebook上で宣伝やレビューをしてもらえれば、アクセス可能圏内の消費者の目にとまることが期待できます。
別のサイトに移動せずFacebookだけでプロセスが完了することは消費者にとってとても魅力的です。
いつも使っているソーシャルメディアで手軽に近くのお店を予約できるとなれば、多くの消費者が利用するのではないでしょうか。
この機能は徐々に展開しているため、一部使用できない種類のCTAボタンがあります。CTAボタンについて詳しく調べるにはこちらを参考にしてください。
出典 : Facebookヘルプセンター:https://www.facebook.com/business/help/1626883224209011
トレンド3.Facebookのマーケットプレイス
出典 : Facebook Newsroom:https://newsroom.fb.com/news/2016/10/introducing-marketplace-buy-and-sell-with-your-local-community/
2016年10月にFacebookがローンチした「Marketplace」も2017年のトレンド候補の1つ。
Marketplaceはフリマ機能を持つサービスで、Facebookの情報を通してユーザー同士で製品の売買ができます。
Marketplaceは遠方に住むユーザー同士の取引を想定したものではなく、近隣に住むユーザー同士の取引を想定したサービス。
近隣に住むユーザーが出品した商品を閲覧することができ、Facebook Messengerを使って売買交渉や会う約束を取り付けます。
今のところ直接会って取引することを奨励しているこのシステムですが、将来的に細かい機能の改善も考えられます。
日本ではフリマアプリ「メルカリ」の人気が急増しているので、新しい売買プラットフォームとして人気がでるかもしれません。
Marketplaceは現在アメリカとイギリス、オーストラリア、ニュージーランド向けにモバイルでローンチされています。
将来的に人気が出れば全世界的に展開していくとのことで、メルカリなどフリマアプリ人気の高い日本でもサービスが展開されると予想できます。
トレンド4.Workplaceの普及
出典 : Workplace by Facebook:https://www.facebook.com/workplace
2016年10月にFacebookがローンチした企業向けソーシャルメディア「Workplace」が、2017年5月に日本市場へ進出。2017年はWorkplaceが日本で普及するのではないかと考えられています。
Workplaceは社内の情報共有や社員同士のコミュニケーションを促進するソーシャルメディア。
アンケート作成やデータ共有、ファイル作成などビジネスに役立つ機能も備えています。さらに社内だけではなく社外のユーザーとのやりとりにも対応していて、会社間グループを作成できるという面白いシステムも利用可能。
今後は経費精算を簡単にできるチャットボットを導入予定とのことで、幅広く社内で役立つ機能の強化が期待できます。
今まで似たようなプラットフォームとしてはSlackが人気でした。WorkplaceはFacebookと同じ感覚で使用できることを売りにしているので、企業向けSNSを導入する企業がさらに増加しそうです。
2017年はWorkplaceなど企業向けSNSで情報共有や、コミュニケーションをとることが促進されるのではないでしょうか。
トレンド5.VRコンテンツ
VRコンテンツはFacebookが積極的に取り組んでいるコンテンツです。
2014年にFacebookがVRヘッドセットを開発するOculusを買収してから、FacebookのVR事業は大きな変化を見せています。
出典 : Facebook Newsroom:https://newsroom.fb.com/news/2014/03/facebook-to-acquire-oculus/
一番世間をびっくりさせたのは、ソーシャルVRアプリ「Facebook Spaces」の発表ではないでしょうか。
これはVRの機能を使って仮想空間で離れた場所にいるユーザーが交流できるアプリですが、
VRヘッドセット Oculus RIft とハンドコントローラ Oculus Touchを持っていれば誰でも体験可能です。
ソーシャルVRに関してはVRヘッドセットがまだ一般的に浸透していないので、多くの人が利用できるのはもう少し先になるかと思います。
しかしスマートホンのスペックが向上してVR空間を十分楽しめるまでになれば、ソーシャルVRを楽しむことが普通になるのも近いかもしれません。
Facebookで一番身近なVR体験は360度動画と写真です。手軽に360度見渡せる動画や写真を楽しむことができます。
最近ではFacebook広告に360度動画を投稿して、没入感の高い体験をユーザーに提供する企業をよく見かけます。
スマートホンで閲覧するとスマートホンを左右上下に動かすだけで画像や動画が動くので、簡単にVRを体験できる点も魅力です。
ユーザーに新しい体験を提供することでコンテンツの注目を集めれば、Facebookで存在感を示すことができます。
最近では360度の写真や動画を撮影できる機器が5万円以内で購入することも可能で、VRコンテンツが以前よりも身近なものになりました。
iPhoneに取り付けて撮影できる操作や管理が簡単なものも登場しています。
VRは今後も強化や新機能の導入が考えられるFacebookで注目のコンテンツなので、機会があればぜひ取り入れてみてください。
トレンド6.Facebook ストーリーズ
2017年3月、SnapchatやInstagramで人気のあるストーリー機能がFacebookに導入されました。
これまで何度も導入のうわさがあり、ついに実装されたためFacebookストーリーズの活用に注目が集まりそうです。
出典 : Facebook Newsroom:https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/03/more-ways-to-share-with-the-facebook-camera/
ストーリー機能とは24時間で自動消滅するコンテンツのこと。Facebookアプリの上部に表示されていて、誰かがストーリーを更新するとすぐに分かるようになっています。
見たいストーリーをタップするとコンテンツがスライドショー形式で表示されます。
Facebookストーリーはカメラを使った機能が豊富なことも特徴です。
カメラエフェクトでマスクをつけているような写真が撮れるなど、顔にフィルターをかけることができます。
「ミニオンズ」や「ワンダーウーマン」など人気キャラクターや公開予定の映画とコラボして限定の顔フィルターを配信。ストーリー機能を使った宣伝を取り入れていることが分かります。
顔フィルター機能はSnapchatで人気を博し、Instagramストーリーズにも導入された人気機能です。
Facebookでしか利用できないフィルターがあるので多くのユーザーがフィルター機能を楽しむことが予測できます。
出典 : Facebook Newsroom:https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/03/more-ways-to-share-with-the-facebook-camera/
このストーリー機能は、2016年8月に傘下のInstagramが導入して支持を集めていました。
Instagramはストーリーズの人気を察知してどんどん新機能を追加。
ストーリーズの強化に努め、現在では1日のアクティブユーザーが2億人の人気機能に成長しています。Facebookストーリーズも機能の追加や拡大で活用できる機会が増える可能性があります。
まだ導入されたばかりですが、2017年の注目機能です。
出典 : TechCrunch:https://techcrunch.com/2017/04/13/instagram-stories-bigger-than-snapchat/
トレンド7.チャットボット
2016年から継続してチャットボットへの期待が高まっています。
Facebookのメッセンジャーで使えるチャットボット機能が、2017年はさらに強化される可能性があるからです。
Facebookメッセンジャーで提供されているチャットボットは、これまで簡単な質問への回答や診断、ニュースの配信が可能でした。
しかしこれまでインターネットサービスの重要部分である、オンライン決算に対応していなかったのです。
この部分をFacebook Messengerの責任者であるDavid Marcus氏は最大な穴と捉えて、2016年9月にTechCrunch Disrupt SF 2016カンファレンスでチャットボットがメッセンジャー内部で支払処理ができるようにすると言及しました。
出典 : TechCrunch:http://jp.techcrunch.com/2016/09/13/20160912messenger-bot-payments/
1つのサイトでプロセスが完結しないとユーザーの離脱率が高くなります。
チャットボットを活用して消費者にぴったりな製品を提案しても、メッセンジャー内で支払処理ができず別サイトに移動してしまうことがネックでした。
しかしメッセンジャーボットに支払処理機能が追加されれば、ユーザーはボット内で製品の選択から購入まで可能に。
プロセスの途中で別サイトに移動してユーザーが離脱する確率を軽減できます。
チャットボットは徐々に活用を検討している企業が増えている段階なので、今後さらなる機能の強化が期待できます。
各ソーシャルメディアが全体的にショッピング機能を強化しているので、メッセンジャーボットを使った販売のチャンスが拡大されそうです。
トレンド8.Facebook liteとMessenger Lite
2017年4月、日本でFacebook LiteとMessenger Liteが利用できるようになりました。
このアプリは通常のFacebookとMessengerアプリの軽量版で、新興国での利用を想定して作られたもの。Androidで使用可能です。
このアプリを使えば通信速度が低速な古い端末でも快適にFacebookを利用できます。
2Gネットワークへの最適化を図っているので、いままでアプリが重くて使えなかったユーザーもFacebookアプリをインストールできるのではないでしょうか。
Facebook LiteとMessenger Liteの導入で、今までアプローチできなかったユーザーと接触できる機会が増えると予想できます。
最近はパソコンよりもモバイル機器でウェブサイトやソーシャルメディアを利用しているユーザーが多いです。
Facebook Liteの導入でFacebookユーザーが増えれば、企業のコンテンツを見てくれるターゲット層が増加します。
Lite版アプリの存在が多くの人に広まれば、アプローチできるユーザー層も増えるのではないでしょうか。
【まとめ】
FacebookはWorkplaceやMarketplace、ストーリーズなど、今年に入って日本に多くの機能を導入しました。
今後はチャットボットなどの機能強化も考えられるので、より多くの方法でビジネスをする機会が増えると予測できます。
注目を集めそうな機能やコンテンツのトレンドを意識して、Facebookをマーケティングに活用してください。