インフルエンサーマーケティング運用のヒントと失敗例を紹介

InstagramやFacebook、Twitterといったソーシャルメディアの台頭で、芸能人とは違った影響力を持つ「インフルエンサー」が活躍の場を増やしています。

インフルエンサーはファッションや美容、テクノロジーなど得意な分野で情報発信をしてファンを増やしている人物。芸能人よりも親しみやすく消費者が参考にしやすい情報を発信するということで、インフルエンサーから生活のヒントや製品レビューを優先して受け取る消費者が増えています。

こういったインフルエンサーとフォロワーの強い絆に気づき始めた企業が、インフルエンサーを活用したプロモーションに投資。今では有名企業からスモールビジネスまで多くの企業がインフルエンサーマーケティングを取り入れています。

しかしインフルエンサーマーケティングはまだ新しいマーケティング方法で、明確なスタンダードはありません。インフルエンサーの選定方法やキャンペーン中のルール決めに悩んでいるマーケターも多いのではないでしょうか。
今回はインフルエンサーマーケティングのポイントと実際の失敗例を紹介します。

インフルエンサー選定のポイント

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インフルエンサーマーケティングを開始するときにまず決めなければいけないことは、どういったインフルエンサーをキャンペーンに起用するかということです。インフルエンサーのフォロワー数や活躍するジャンルなど、企業によって起用したいインフルエンサーの基準があるかと思います。もちろん強い影響力を持つインフルエンサーは膨大なオーディエンスを持っていますが、フォロワーの数だけでは企業に最適なインフルエンサーかどうかは分かりません。

まずはどういった人材がキャンペーンに最適かあらかじめペルソナを研究して、インフルエンサーの選定を行うのがおすすめです。ここでは選定するインフルエンサーの年齢や性別、ジャンルの他にインフルエンサーを選定時のポイントを紹介します。

インフルエンサーのオーディエンスを研究する

確実にキャンペーンを通して消費者からアクションを促すには、キャンペーンのターゲット層とインフルエンサーのオーディエンスが一致していることが最も重要です。オーディエンスが興味を持っている製品や話題が、キャンペーンを行う製品やサービスと一致しているインフルエンサーを探しましょう。

企業の提供するものに反応を示してくれるオーディエンスにリーチするポイントは、インフルエンサーが投稿したコンテンツをチェックすることです。
インフルエンサーは毎日いろいろな製品や話題についてつぶやいています。その中で企業のキャンペーンと類似するコンテンツを探しましょう。そのコンテンツで注目するポイントは、オーディエンスがどのような反応をしているかです。
もし企業のキャンペーンと類似したコンテンツにオーディエンスが良い反応を示していたら、これから行うキャンペーンに良い反応を示してくれる確率が上がります。
オーディエンスのデモグラフィックだけではなく、インフルエンサーのコンテンツからオーディエンスの興味を探りましょう。

起用するのはトップインフルエンサーかマイクロインフルエンサーか

多くのオーディエンスにアプローチできることを考えると、数百万人のフォロワー数を持つトップインフルエンサーは魅力的です。しかし人気のあるインフルエンサーであればあるほど特にファンというわけではなく興味本位でフォローするユーザーも増えるため、運用の仕方では思ったほど効果が得られないという事例がよく見られます。

例えば世界中にファンを持つ米リアリティスターのキム・カーダシアンは、インスタグラムのフォロワー数が約1億人と大きな影響力を持っていることは明らかです。
しかし彼女を起用したあるソーシャルメディアキャンペーンで得られたのは、ウェブサイトへのアクセス数1,200件と製品の注文が30件。彼女のファンに的確にリーチできるキャンペーンではなかったため、思ったような成果がでませんでした。
参照:tapfluence

そこで注目したいのがマイクロインフルエンサーです。マイクロインフルエンサーは、諸説ありますがフォロワー数が約5,000人〜10,000人のトップインフルエンサーよりも比較的フォロワー数が少ないインフルエンサー。その代わりフォロワーとの関係はとても深く、ほとんどがインフルエンサーの意見に耳を傾けてくれます。マイクロインフルエンサーを起用したキャンペーンはエンゲージメントが高いと、多くの企業がマイクロインフルエンサーを起用しています。

製品や企業の存在の認知度を高めたいならトップインフルエンサー、売上増加やアクセス数アップなど消費者の行動を促したいならマイクロインフルエンサーと、目的によってインフルエンサーを選定しましょう。

起用するインフルエンサーの人数を考える

予算にもよりますが、キャンペーンにインフルエンサーを複数起用することで、1人のインフルエンサーを起用するよりもさらに多くのオーディエンスにアプローチできます。

トップインフルエンサーを複数起用するとオーディエンスが被っていることはよくありますが、先ほど紹介したマイクロインフルエンサーはニッチ層に特化しているため、オーディエンスの被りは起こりにくいです。
複数起用を考えているならまずはキャンペーンの認知度増加のためにトップインフルエンサーを1人起用し、売上増加などを目的にマイクロインフルエンサーを複数起用するのがおすすめです。

ジャンルを限定しすぎない

キャンペーンに起用するのは、企業の参入している業界と同じジャンルで活躍するインフルエンサーが基本かと思います。コスメを販売するなら美容インフルエンサー、服を販売するならファッションインフルエンサーと、同じ業界で活躍するインフルエンサーのオーディエンスはその業界に興味があるはずです。
しかし美容は美容、ファッションはファッションと決めず、類似するジャンルでオーディエンスを研究することで、幅広いターゲット層にリーチすることを可能にします。

例えば航空会社がハワイ線のプロモーションのために、同社の航空機を使ってハワイを満喫するキャンペーンを行うとします。この場合は世界中を旅して現地の魅力を伝えるトラベルインフルエンサーが第一候補に上がるかと思いますが、別ジャンルのインフルエンサーにも目を向けてみましょう。
ライフスタイルインフルエンサーはおしゃれな日常を素敵な写真を使って表現します。旅行先でフォトジェニックな写真を撮影してユーザーにハワイの魅力を伝えられそうです。
さらにソーシャルメディアで英語を教えているインフルエンサーのオーディエンスは、海外に興味のある人が多いと予測できます。彼らをこのキャンペーンに起用すれば、的確に海外旅行へ行きたいと考えている人にアプローチできるでしょう。

このように別ジャンルで活躍するインフルエンサーを複数起用すると、異なる層に幅広くアプローチできます。同ジャンルのインフルエンサーを複数起用するよりも、数人は別ジャンルのインフルエンサーを起用するのがおすすめです。

インフルエンサーキャンペーン運用中の注意点

注意点

インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーとの関係作りなど気を付けなければいけない点がいくつかあります。ここではキャンペーン運用開始前〜運用中に守った方が良いポイントを紹介します。

インフルエンサーの創造性を奪わない

インフルエンサーにコンテンツの作成を依頼するときに、いくつか守って欲しいポイントを伝えるかと思います。ここで一番気をつけなければいけないのがインフルエンサーにコンテンツ作成に関するルールを事細かく課して、インフルエンサーの魅力をなくしてしまうことです。

企業がアプローチしたいオーディエンスは、インフルエンサーの持つ独自性に魅力を感じて彼らをフォローしています。それがマーケターの渡した草案のコピペになってしまったら、もともとアプローチしたかったターゲット層に響かないという事態になってしまいます。
ルールでインフルエンサーを固めず、コンテンツ作成の自由をある程度与えることがインフルエンサーマーケティング成功のポイントです。

最低限のルールを作る

インフルエンサーを完全にコントロールするのはいけませんが、最低限のルールを作っておくことをおすすめします。
例えばインフルエンサーのフォロワーがよく閲覧している時間帯の投稿や、キャンペーン用のタグ付け、キャンペーン用のコンテンツに競合他社製品を写して良いかどうかを決めておくのは、トラブル回避や円滑なキャンペーン運用に重要です。
インフルエンサーの創造性を奪わないルールなら、あらかじめガイドを作ってインフルエンサーに渡しておきましょう。

インフルエンサーの報酬の目安は?安く見積もるのはNG

インフルエンサーマーケティングを行うときに、マーケターが一番気になるのはインフルエンサーの報酬額ではないでしょうか。ソーシャルメディアで影響力を持つインフルエンサーですが、芸能人とは異なる存在のため決まった報酬額はまだ明確ではない状態です。
数十万人の購読者を持つユーチューブクリエイターはほとんど事務所に所属しているので、事務所や本人を介して報酬額を見積もってもらうと良いでしょう。数万人以上のフォロワーを持つソーシャルメディアインフルエンサーの場合も、キャンペーンを担当した経験のある人がほとんどなので、見積もりが難しい場合は本人に見積もりを出してもらって良いかと思います。

報酬額の目安としては引用元のPR TIMESによると、フォロワー数10,000〜19,999人のInstagramインフルエンサーで1案件約19,000円、フォロワー数10,000〜19,999人のツイッターインフルエンサーで1案件約15,000円とのことです。
参照:PR TIMES

気をつけたいのがインフルエンサーに交通費のみの支給や、製品を提供するかわりに無料でプロモーションして欲しいなど、ボランティアのような依頼をしてしまうことです。インフルエンサーの中にはコンテンツ作りで生活している人も多く、プロ意識を持って活動をしています。彼らの影響力を活用したいと考えるなら、前述した報酬額の目安を参考にして活動に見合った報酬を払いましょう。

数百万人のフォロワーを持っているインフルエンサーでもインフルエンサーがその製品のファンの場合、製品を提供する代わりにスポンサーコンテンツを作成してくれることがあります。
インフルエンサーは自身が本当におすすめしたいと思うもの、創造性が掻き立てられるものに関して積極的にコンテンツを作成してくれます。ソーシャルメディアで自社製品を検索して、製品を愛用しているインフルエンサーがいたら製品の提供を申し出てみてはいかがでしょうか。

気を付けたい!インフルエンサーマーケティングの失敗例

実際に陥りがちなインフルエンサーマーケティングの失敗例を紹介します。

romanasinger

画像出典:@ramonasinger(Instagram)
スポンサーコンテンツを依頼するときはスポンサーの考えが消費者に間違って伝わらないようにすることが大切です。そのためインフルエンサーの個性を無視したコンテンツを依頼してしまう場合があります。
リアリティ番組「The Real Housewives of New York」で活躍するRamona Singerは、歯に衣着せぬ言葉とユーモアのある物言いで人気の高いアメリカのセレブ。彼女はスポンサー用コンテンツの草案を間違えてInstagramに投稿してしまいます。このキャプションの草案では細かく製品を推奨するように内容が指定されていて、彼女の個性を無視したビジネス調のトーンに仕上がっていました。
インフルエンサーが草案を間違えて投稿してしまうケースはよくあるので注意したいポイントですが、一番気をつけなければいけないのがインフルエンサー独自の意見を無視した依頼です。これではインフルエンサーのオーディエンスに共感してもらえないコンテンツになってしまうので、結果的にキャンペーンの成果を最大限引き出せないという事態を招いてしまいます。
言及して欲しいポイントだけ伝えるなどルールは最小限にして、コンテンツ作成はインフルエンサーに任せましょう。
参照:Curalate

まとめ

インフルエンサーマーケティングのポイントは、基本的にインフルエンサーの創造性を尊重することです。オーディエンスとターゲット層が一致するインフルエンサーを起用したら、最低限のルールを作ってインフルエンサーと良好な関係を気づきましょう。