ソーシャルメディアでは常に新しいトレンドが生まれては消えています。
流行のハッシュタグやコンテンツ、その年によってユーザーの興味を引くものはどんどん変わっているのが現状です。
ソーシャルメディアを活用したマーケティングも世間やプラットフォーム内のトレンドを押えることで、コンテンツへのエンゲージメントが大きく変わります。
トレンドを押えたコンテンツは「いいね」や「コメント」といったユーザーのアクションを引き出すのに貢献。
企業のソーシャルメディア上での露出度を大きく左右します。
機能やユーザー層の違いから、ソーシャルメディアごとに注目すべきトレンドが異なります。
インスタグラムの場合は24時間で消えるストーリーズが安定した人気を得てきているため、通常コンテンツとストーリーズのバランスをとったコンテンツ投稿が重要です。
さらに画像に関していえば、インスタグアムらしい「フォトジェニック」な写真を意識することでユーザーのアクションを引き出すことが可能。
トレンドを意識しておくことはコンテンツ作りに役立ちます。
今回は2017年に注目されているインスタグラムのトレンドを紹介します。事例を交えながら解説するので、コンテンツ作りの参考にどうぞ。
目次
インスタグラムの機能に関するトレンド
インスタグラムにはどんどん新機能が導入されています。2016年夏に導入された24時間で自動消滅するInstagram Storiesの人気は安定し、ライブ配信や動画をループするブーメランなども使用される機会が増えています。
さらに2016年は写真に製品リンクをタグ付けするショッピング機能も発表されて、機能面で変化が多かった年でした。2017年は昨年導入された新機能を強化したものがトレンドになりそうです。
2017年はショッピング機能が本格始動?
昨年末に一部の企業で導入されたショッピング機能は、インスタグラムに投稿されたコンテンツから直接商品を購入できる機能。
写真に写った製品をタップすると、インスタグラムのアプリ内で製品購入ページに移動。
インスタグラム内で手軽にショッピングができるとして注目を集めています。
出典 : Instagram Business ブログ:https://business.instagram.com/blog/shopping-on-instagram/
さらにアメリカでは2017年3月にこのショッピング機能を本格導入。
徐々に導入される地域が広がっていくのではと予測されていて、多くの海外マーケティングメディアがインスタグラムのショッピング機能を2017年のトレンドとして挙げています。
出典 : Social Media Examiner:http://www.socialmediaexaminer.com/8-instagram-marketing-predictions-for-2017-from-the-pros/
またショッピング機能を除いても、2017年はインスタグラムをショッピングに利用することがトレンドになると予測されています。
海外でInstagramのマーケティングプラットフォームを提供しているLaterの記事には、ソーシャルメディアで製品の購入を決定する消費者が78%で、70%のインスタグラムユーザーがインスタグラムで企業アカウントを検索しているというデータが掲載されています。
ネットショップの普及やモバイル機器利用者の増加で、スマートホンでオンラインショッピングをすることが普通になりました。
特にスマートホンネイティブ世代の利用者が多いインスタグラムは、製品購入というアクションを起こしやすいユーザーが集まっています。
出典 : Later:https://later.com/blog/instagram-marketing-trends-2017/
出典 : @shopbop:https://www.instagram.com/shopbop/
インスタグラムが他プラットフォームに比べてショッピングに活用しやすいと言われるのは、プロフィールページの表示方法にあります。
アカウントのプロフィールページを開くと、投稿したコンテンツが画像のようにきれいに並びます。
製品カタログのように閲覧できるので、製品の魅力をアピールしやすいのです。
ビジネスツールの強化
2016年夏、インスタグラムは企業向けにビジネス用アカウントを導入。
通常のプロフィールからビジネスアカウントに変更することで、「ビジネスプロフィール」「Instagramインサイト」「投稿の宣伝」という3つの機能を利用できるようにしました。
ビジネスアカウントに変更することでデータの分析ができるなど、便利な機能の恩恵を受けられます。
出典 : Facebook Newsroom:https://ja.newsroom.fb.com/news/2016/08/instagram_businesstool/
出典 : Facebook Newsroom:https://ja.newsroom.fb.com/news/2016/08/instagram_businesstool/
ショッピング機能が導入されたように、インスタグラムではビジネス利用を視野に入れた機能の強化が進んでいます。
特にInstagramインサイトはフォロワーやコンテンツのデータを取得できるので、マーケティングにとても役立つ機能です。
海外メディアSocial Media Examinerで、2017年はビジネスプロフィールがさらに強化されると予測されています。
2017年はビジネスプロフィールの活用を視野にいれると良いかもしれません。
出典 : Social Media Examiner:http://www.socialmediaexaminer.com/8-instagram-marketing-predictions-for-2017-from-the-pros/
ストーリーズの人気が続く
2016年に導入されてから成長を続けているInstagram Stories。現在では毎日2億人以上のユーザーがInstagram Storiesを楽しんでいるなど快進撃が続いています。
ストーリー機能は今ではマーケティングでも重要な機能。
通常コンテンツでは配信しないような肩の力が抜けたコンテンツや、今の状況をリアルタイムで伝えるコンテンツの配信に向いています。
スタンプ機能や文字入れ、らくがきなど通常コンテンツではできない遊びができるので、通常コンテンツとは異なる表現ができる魅力があります。
ストーリーズからはライブ配信もできるので、よりリアルタイムでユーザーと交流できる楽しみが強化されました。
出典 : Instagram Business ブログ:https://business.instagram.com/blog/200m-people-using-instagram-stories/
出典 : Instagram Press:https://instagram-press.com/blog/2017/05/16/introducing-face-filters-and-more-on-instagram/
さらにインスタグラムはストーリーズに顔フィルター機能を導入。
最近人気のカメラに写った顔にフィルターがかかる機能を導入して、ユーザーによりストーリーズを楽しんでもらえるようにしました。
インスタグラムはストーリーズに季節限定のスタンプやストーリーズ内にハッシュタグを表示するなど新機能を定期的に導入しているので、2016年も引き続きストーリーズの活用がトレンドになることは間違いなさそうです。
動画に関するトレンド
2017年のトレンドはやはりビデオを使ったコンテンツ。画像を使ったコンテンツよりもエンゲージメントが高いと2016年から注目されています。
Instagramも次の4年でデータの75%がビデオで占めると予測(Wersm参照)。多くのユーザーが取り入れ始めています。
動画の種類も様々で、動画コンテンツのトレンドも移り変わっているようです。
ここでは2017年にトレンドとなる動画コンテンツを2つ紹介します。
出典 : Wersm:http://wersm.com/5-top-instagram-trends-to-know-in-2017/
画像×動画のシネマグラフに注目
Instagram Storiesに導入されたブーメランは短時間動画をループする機能です。
ブーメランはいつもの動画と違った見せ方ができる新鮮さが受けて、インフルエンサーや芸能人も多用しています。
手軽に今っぽく撮影できる点もポイントです。
ブーメランから始まったループ動画人気がさらに過熱して2017年は「シネマグラフ」に注目が集まっています。
シネマグラフとは写真の一部だけが動くGIF画像のこと。おもちゃのような雰囲気でユーザーを引きつけます。
出典 : Influencer.con Perspective:http://blog.influence.co/new-instagram-trends-for-2017/
シネマグラフはペイントツールPhotoshopを使って作成可能です。
Photoshopを使い慣れていない場合やもっと手軽にシネマグラフを作成したい場合は、アプリを活用して作成できます。
iOS端末で使用できる「Cinemagraph Pro」やAndroid端末で使用できる「motiongraph」は、シネマグラフ作成アプリの代表格です。
スマホで手軽にシネマグラフを作成できるので、是非取り入れてみてください。
出典 : Cinemagraph Pro(App Store):https://itunes.apple.com/jp/app/cinemagraph-pro/id777874532?mt=12
出典 : motiongraph(Google Play):https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sonydna.motiongraph
オーディオなしの動画が増加
Facebookも同様の傾向がありますが、音を付けないサイレントビデオがトレンドになっています。
海外メディアsprout socialによると、Facebookユーザーの85%がサウンドをオフにしてビデオを閲覧しているとのことです。
理由としてはモバイルから公共の場で閲覧しているユーザーが増えたことや、字幕ありの動画が増えたため。音を付けない方が気軽に閲覧できるという点も理由として挙げられていました。
こ
れはインスタグラムユーザーにも当てはまります。通勤途中や休憩中にソーシャルメディアを閲覧するユーザーを考えて、必要がない場合はオーディオなしの動画も需要があるのではないでしょうか。
出典 : sprout social:https://sproutsocial.com/insights/instagram-trends-for-every-marketer/
画像出典:@ikeausa:https://www.instagram.com/p/BHDUFCdgE8D/
こちらのコンテンツはIKEAがインスタグラムに投稿したサイレントビデオ。
通常ならBGMが付きそうですが、サウンドを付けずにシンプルな動画にしています。URLを添付するので参考にしてください。
画像に関するトレンド
ビジュアルコンテンツ特化型のインスタグラムで、画像のトレンドを押えておくことは外せません。画像は撮影スタイルからポーズ、加工方法まで多様な流行があります。
背景と融合したDouble exposure
最初に紹介するのは背景と人か動物を融合したDouble exposureです。
今までは遠近法を活用して人が背景に写った建物や人を持っている写真、いわゆるトリック画像が人気でした。
観光地や素敵なスポットに寄ったら背景を活用して遊ぶのがフォトジェニックな写真を撮影する鉄板です。
2017年は背景を活用した写真をさらに進化させ、ユーザーの目を引くDouble exposureに注目が集まっています。
出典 : Influencer.con Perspective:http://blog.influence.co/new-instagram-trends-for-2017/
画像出典:pixabay:https://pixabay.com/en/portrait-creative-double-exposure-1485233/
Double exposureは人と背景を重ねて、幻想的な写真を作り出すテクニック。
背景と人物を完全に重ねた写真や、人の形に背景が入り込んでいるような写真を作ることもできます。
Photoshopなどレイヤー分けできるペイントツールならほぼDouble exposureを活用できますが、スマホアプリでもDouble exposureを利用可能。
iOS端末は「Fused」、Android端末は「Diana Photo」などでDouble exposureを使った写真が作れます。
アプリを利用すれば手軽にコンテンツを作成できるので、ペイントツールをあつかえる人がマーケティングチームにいない場合は活用してください。
出典 : Fused:https://itunes.apple.com/jp/app/fused-double-exposure-video-and-picture-blender/id869117407?mt=8
出典 : Diana Photo:https://play.google.com/store/apps/details?id=eu.stettiner.dianaphoto&hl=ja
フィルターはノスタルジックな雰囲気がトレンド
出典 : @ariannahicks:https://www.instagram.com/ariannahicks/
Influencer.con Perspectiveによるとフィルターは2016年にマットが流行していたのですが、2017年は少し粒子感のある古いカメラのようなフィルターが流行とのこと。
チェキや写ルンですで撮影した写真が流行しているように、2017年はあえて古いテイストを加えるのがトレンドです。
少し茶色がかかった、暗めで古い雰囲気のフィルターを取り入れてみましょう。
フィルターはすぐに取り入れられるので今っぽいコンテンツを作りたいときにおすすめです。
出典 : Influencer.con Perspective:http://blog.influence.co/new-instagram-trends-for-2017/
最近はチェキで2~3枚写真を撮影し、それを並べたものをスマホで撮影してインスタグラムに投稿することが流行しています。
写真の周りに香水などおしゃれなアイテムを並べたり、背景をこだわったりとチェキを含めてフォトジェニックな写真に仕上げるコンテンツが多いです。ポイントに取り入れるとインパクトがあるのでおすすめです。
コンテンツに関するトレンド
各プラットフォームでコンテンツの内容にトレンドがあります。一時期日本では有名ユーチューバーが自身の一日に密着した動画を投稿したことで、多くのユーチューバーが密着動画を投稿しました。
人気のあるテーマは多くの人が挑戦したいと感じ、見ている側のユーザーも楽しめるものが多いです。インスタグラムにもコンテンツの見せ方やテーマにトレンドがあり、多くの企業が取り入れています。
出典 : @targetstyle:https://www.instagram.com/targetstyle/
「お気に入りの日焼け止め」や「おすすめのペン」など、同じ製品を複数並べたコンテンツをよく見かけていましたが2017年もこのコンテンツの人気は継続しそうです。
このテーマのコンテンツは製品の魅力をアピールするために、背景や色彩にこだわった写真が多数。インスタグラムらしいフォトジェニックな写真に見えるように、撮影方法にこだわっています。
出典 : sprout social:https://sproutsocial.com/insights/instagram-trends-for-every-marketer/
出典 : @targetstyle:https://www.instagram.com/targetstyle/
テーマをそろえたコンテンツで、画像のように製品をきちんと並べて上から撮影したコンテンツもトレンドの撮影方法です。
写真に収めたい製品が多すぎる場合、横から撮影すると製品同士が重なって上手く撮影できないことがあります。
さらに立てるのが難しい製品だと寝かせて撮影するしかありません。
そんなときはきれいに並べて上から撮影すれば、各製品を綺麗に見せることが可能。製品の魅力をアピールしやすいというメリットがあります。
【まとめ】
機能や動画など、それぞれ取り入れたいトレンドを紹介しました。
トレンドは移り変わっていきますがストーリーズが去年から勢いを増しているように、機能面でのトレンドは長く継続しそうです。
インスタグラムは新機能を強化しているため、特にストーリーズは今年も継続して新機能の導入が考えられます。
トレンドを取り入れた魅力的なコンテンツ作りで一番重要なことは、そのトレンドが企業に合っているかです。
チェキを使うことで製品の魅力がアピールできないようなら、取り入れる必要はありません。
取り入れることで魅力的なコンテンツを作れるトレンドを選ぶことが重要です。